「エシカル消費」という言葉を聞いて、どんなイメージを持つだろうか。
オーガニックコーヒーにこだわる人。フェアトレードのチョコレートを贈り物にする人。どこか「意識が高い」人たちの、ちょっと窮屈な選択——そんな印象を持っている人は少なくないはずだ。
しかし現実は、静かに、確実に変わっている。
エシカル消費とは何か
エシカル(ethical)とは「倫理的な」という意味だ。エシカル消費とは、人・社会・環境への影響を考慮した消費行動のこと。消費者庁は「社会的課題の解決を考慮しながら、そうした課題に取り組む事業者を応援する消費活動」と定義している。
難しく聞こえるが、要するに「何を買うか」「誰から買うか」という日常の選択に、価格や品質以外の軸を持ち込むことだ。
世界のルールが変わりつつある
エシカル消費が注目される背景には、国際的な規制の潮流がある。
2024年、EUはいわゆる「グリーンクレーム指令」を採択した。企業が「環境に優しい」「サステナブル」といった主張をする場合、科学的根拠の提示が義務づけられる。根拠のない環境訴求——いわゆる「グリーンウォッシュ」——は規制の対象になる。
日本も無関係ではない。消費者庁は景品表示法の運用強化を進め、環境配慮を謳った誇大広告への監視が厳しくなっている。エシカルな姿勢を「見せる」だけでは、いよいよ通用しない時代だ。
消費者の意識も変わった。ミレニアル世代・Z世代を中心に、企業のサステナビリティへの姿勢を購買判断の基準に組み込む動きが広がっている。「どんな会社から買うか」が、「何を買うか」と同じくらい重要になっている。
ビジネスパーソンにとって、なぜ重要なのか
「消費者の話でしょ」と感じるかもしれない。しかしビジネスパーソンがエシカル消費を知るべき理由は、少なくとも三つある。
①取引・調達の現場が変わる。
大企業や機関投資家が、サプライチェーン全体の倫理性を問うようになっている。「あなたの調達先は人権に配慮しているか」という問いは、すでに実務の問いだ。
②リスクとして顕在化する。
人権侵害や環境破壊への関与が発覚した企業の炎上事例は、毎年後を絶たない。「知らなかった」では済まされないケースが増えている。
③個人の選択が積み上がる。
ビジネスパーソン、特に30代以降ともなればいい大人。収入と消費の両面で、社会にもっともインパクトを与えられる世代だ。日々の選択の積み重ねが、市場への明確なシグナルになる。
Ethical Codeについて
Ethical Codeは、ビジネスパーソンに向けてエシカル消費の「実践的な知識」を届けるメディアだ。
各種認証の解説、企業のサステナビリティ主張の検証、国内外の規制動向——「本物かどうかを見抜く目」を、読者と一緒に育てていきたいと思っている。
「良い選択をしたい」という意志を、知識で支える。それが、Ethical Codeのミッションだ。

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